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【R5】イギリス 6ペンス金貨|Spink & Son パターン(プレーンエッジ)|1887年|PF66 Ultra Cameo|Top Pop(唯一)|Bull掲載プレートコイン|Ex Thorburn Collection

【R5】イギリス 6ペンス金貨|Spink & Son パターン(プレーンエッジ)|1887年|PF66 Ultra Cameo|Top Pop(唯一)|Bull掲載プレートコイン|Ex Thorburn Collection

【R5】イギリス 6ペンス金貨|Spink & Son パターン(プレーンエッジ)|1887年|PF66 Ultra Cameo|Top Pop(唯一)|Bull掲載プレートコイン|Ex Thorburn Collection

basic information
発行地(製作委託):ニュルンベルク(バイエルン/L. C. Lauer 工房)
年 号:1887年
額 面:6ペンス(Pattern)
品 位:金(Au)
重 量:約4.64–4.67 g(NGCラベル4.64 g/オークション記録4.67 g)
直 径:約19–20 mm
エッジ:Plain(刻銘なし)/ダイ軸 inverted(上下逆向)
鑑 定:NGC PF66 Ultra Cameo(Top Pop/Only One Certified)[Cert. 8537535-008]
文 献:W&R 380(R5・本品掲載)/ESC 1779(R4)/Bull 3304(R5・本品図版掲載)/Bruce X55A
来 歴:Ex S. Alfred Bole Collection(DNW Auction, 2010年9月29日, Lot 1843)→ Thorburn Collection

備考:
Bull(p.464)および W&R に掲載された実物図版コイン。
金6ペンス・パターン全体の中でも最高位(R5)に位置し、NGC統計上は現在も唯一の登録個体。
製作は Spink & Son 企画、Joseph Rochelle Thomas 監修のもと、ドイツ・ラウアー工房にて試験打刻されたもの。

【R5|Top Pop】イギリス 6ペンス|Spinkパターン金貨(Plain Edge)|1887年|PF66 Ultra Cameo|Bull 3304 プレートコイン

1887年、ヴィクトリア女王の即位50周年(ゴールデン・ジュビリー)を記念して、Spink & Son が企画・監修したパターン6ペンスの金打ち。縁は刻銘をもたないプレーンエッジ仕様で、意匠全体の完成度が際立つ最上位タイプに位置づけられます。

文献上の希少度は W&R 380=R5、Bull 3304=R5、ESC 1779(脚注)=R4 と、いずれも最高級クラスに格付け。金製の6ペンス・パターン群の中核を成す代表的標本です。鑑定は NGC PF66 Ultra Cameo。NGC統計上でも現在唯一の登録個体であり、同型他例は存在しません。

すなわち、本コインは「Top Pop(最高位)」かつ「Only One Certified(世界唯一)」という二重の称号を備えています。

さらに、本品は Bull(p.464)に掲載されたプレートコインであり、Wilson & Rasmussen でも金製6ペンス3種を代表する実物として引用された著名な個体。
文献史的にも基準標本とされる重要な位置づけを持ちます。

来歴は名高い S. Alfred Bole Collection(DNW Auction, 2010年9月29日, Lot 1843)を経て、後年 Thorburn Collection に収蔵。
英国試作貨幣研究の系譜を継ぐコレクション由来の1枚として、出自・評価ともに完璧な記録を有しています。

POINT

Thorburn Collection
英国の著名コレクター ジョン・ソーバーン(John Thorburn) によって形成された体系的コイン・コレクション。
主に ヴィクトリア女王期のパターン貨・プルーフ貨・試作品 を中心に構成され、特に 1887年ジュビリーシリーズ(Spink & Son 試作群) を網羅的に収蔵していたことで知られます。
ソーバーン氏は収集家というより貨幣研究家・記録者的存在で、各個体の来歴・文献・鑑定情報を厳密に整理した体系性が特徴です。
そのため「Thorburn Collection」由来のコインは、真正性・選定眼・保存状態の三拍子が揃った代表的名品群として評価されています。
NGCでも一部のスラブに “From the Thorburn Collection” の表示が入っており、これは世界的に認知された権威ある個人コレクション名のひとつに数えられます。

Surface (obverse).

ジュビリー期を象徴するジョゼフ・エドガー・ベーム(Joseph Edgar Boehm)作の女王肖像。
左向きの三分の四姿で刻まれたヴィクトリア像は、小冠(ティアラ)とヴェールの透彫が繊細に重なり、胸元のレースや宝飾まで一線一線が精密に表現されています。
PF66 Ultra Cameoらしい均一なフロストが肖像全体を包み込み、深く磨き上げられた鏡面とのコントラストが強い立体感を生み出します。

トランケーション(胸切り台)はプレーンで、J.E.B.やS&Sの刻印を持たない最初期タイプ。
英語銘「VICTORIA. BY. THE. GRACE. OF. GOD. QUEEN. OF. GREAT. BRITAIN. EMP: OF. INDIA」は均整のとれた二重線内に配され、外周には完璧に整列したビーディング。
全体の彫りは端正かつ鋭利で、金地の柔らかな輝きがベーム特有の写実的造形をより引き立てています。
光源の角度によってフロストが滑らかに変化し、ヴィクトリアの表情にわずかな陰翳を添える、まさに“金のジュビリーヘッド”と呼ぶにふさわしい威厳と静謐を併せ持つ面です。


Reverse (reverse)

王冠を頂くガーター環付き四分割盾を中央に据え、両側にユニコーンとライオンが支える英国王室の紋章構成。
下部にはバラ(イングランド)・アザミ(スコットランド)・シャムロック(アイルランド)が並び、連合王国の統合を象徴する意匠です。

外周には「SIX PENCE」とローマ数字「MDCCCLXXXVII(1887)」を刻み、下縁には「SPINK」および「& SON」の銘刻。
各モチーフの立ち上がりは驚くほど鋭く、PF66 Ultra Cameo特有の光沢が深い陰影を生み、まるで彫刻作品のような存在感を放ちます。

このプレーンエッジ仕様は、周縁の反射を抑え、中央構図をより引き締めて見せる効果を持ちます。
ダイ軸はinverted(上下逆向)で、試作品特有の打刻工程を示す痕跡でもあります。
金特有の重厚かつ温かみのある輝きが鏡面全体に均一に広がり、視覚的な完成度はシリーズ中でも最上級といえる仕上がりです。


歴史的背景

1887年はヴィクトリア女王即位50周年(ゴールデン・ジュビリー)の記念年。
肖像刷新(ジュビリー・ヘッド)の採用と並行して、Spink & Son は民間の立場から独自に意匠提案用パターン貨の制作を行いました。
このシリーズは、バーミンガムのディーラー ジョゼフ・ロシェル・トーマス(Joseph Rochelle Thomas, 1865–1938)が中心となり、実際の製作はドイツ・ニュルンベルクのラウアー工房(L. C. Lauer)が担いました。

ラウアー家は18世紀以来のヨーロッパ有数のメダル製造所であり、蒸気プレスを用いた高精度打刻の先駆者として知られます。
Spinkパターン6ペンスはクラウン、フローリン、シリングなどの試作品群と並ぶシリーズの一環として制作され、金・銀・錫・アルミニウムなど多様な素材で打たれました。
なかでも金製タイプは極めて製造数が少なく、文献上はいずれも最高位のR5に分類される“試作貨幣の頂点”と位置づけられます。


市場評価と希少性

本コインは文献上 W&R 380=R5、Bull 3304=R5、ESC 1779(脚注)=R4 に格付けされ、Spinkパターン6ペンス金打ちの基準標本として位置づけられています。
鑑定面では NGC PF66 Ultra Cameo として唯一登録され、同型他例は存在しません。
すなわち、「文献上のR5」と「鑑定統計上の唯一存在」という二重の希少性を兼ね備えた、まさに究極のパターン金貨Is.

さらに本品は、Bull(p.464)および Wilson & Rasmussen(W&R)に掲載された“プレートコイン”であり、実物画像が文献基準として用いられた実証的標本。
その由来も、名高い S. Alfred Bole Collection(DNW Auction, 2010年9月29日, Lot 1843)から Thorburn Collectionへと継承された、確かなトレーサビリティを持つ重要来歴です。

金打ち6ペンスの中でもプレーンエッジはとりわけ端正な造形を備え、鏡面の反射とフロストの調和が最も美しく表現された形式と評されます。
希少度・美術性・来歴・掲載実績の四拍子が揃うこの個体は、ヴィクトリア期の造幣技術と美意識を象徴する“資料的完成形”といえるでしょう。


1887年 Spink & Son パターン6ペンス(プレーンエッジ)は、英国と大陸技術の協業が生み出したジュビリー期パターンの頂点的存在です。
金特有の温潤な輝きと深い鏡面、そしてPF66 Ultra Cameoが示す完璧な打刻は、ラウアー工房の熟練技術とSpinkの審美的意図を見事に融合させています。
文献上は W&R 380およびBull 3304でR5(極稀少)に格付けされ、さらにNGC統計ではPF66 Ultra Cameoとして唯一登録=Top Pop
すなわち、文献・鑑定・来歴・掲載実績の四要素すべてで頂点を極めた“究極の基準個体”です。
名高い S. Alfred Bole Collection から Thorburn Collection へと受け継がれた確かな由来に加え、BullおよびW&R双方のプレートに採用された実物という文献的裏付けも備えます。
端正な造形と黄金の光沢が象徴するのは、ヴィクトリア朝の繁栄と職人技の粋。
Spinkパターン・シリーズにおける金打ちの完成形として、英国試作貨幣史に永く名を刻む一枚です。

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