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【R3】フランス ルイ18世 5フラン銀貨 エセー 1815年 パリ PCGS SP62 | Top Pop 最高鑑定

【R3】フランス ルイ18世 5フラン銀貨 エセー 1815年 パリ PCGS SP62 | Top Pop 最高鑑定

【R3】フランス ルイ18世 5フラン銀貨 エセー 1815年 パリ PCGS SP62 | Top Pop 最高鑑定

世界中の富裕層の方々に贈る
唯一無二のmasterpiece

basic information

発行地:パリ造幣局(A)
年 号:1815年(第一次王政復古期)
額 面:5フラン
金属・品位:銀 0.900
重 量24.83 g(実測/当該ロット記載)
直 径
:約37 mm(シリーズ標準)
縁 種Plain edge(平縁)
デザイナー
Pierre-Joseph Tiolier(署名 F. TIOLIER
鑑 定
:PCGS Specimen-62(SP62)
文 献
Maz-745(R3); Gad-612(a); T&T-2030.b.1(本品引用)

⭐ R3指定の極稀少エセー ✨ PCGS Top Pop 最高鑑定(#503300)
1815年のフランス王政復古期に打たれた特別エセー。Maz-745(R3=Very Rare)に分類される難物であり、さらに PCGS #503300では本コインただ1枚のみ登録(Pop 1/1)=Top Pop。世界的にも入手機会のほとんどない、圧倒的名品です。

1815年、激動のフランスにおいて王政復古の象徴として打たれた特別エセーの5フラン銀貨。
パリ造幣局総彫刻師 ピエール=ジョゼフ・ティオリエによる堂々たる肖像は、帝政崩壊後のブルボン王権の正統性を高らかに刻んでいます。
本コインは文献 Maz-745(R3)/Gad-612.(a)/T&T-2030.b.1 “this coin cited” に分類され、鑑定は PCGS SP62 Specimen
来歴は Richard Margolis Collection(1984年 Jean Vinchonで取得 と明記されています。

Richard Margolis Collection 出自とは
米国の著名ディーラー/研究者 Richard Margolis(1931–2018)が長年にわたり体系的に蒐集した、フランス革命~復古王政期を中心とするコイン/メダル群。Margolis はNYINCの創設メンバーとしても知られ、同コレクションは2024年以降 Stack’s Bowers により出品中です。研究者的視点で整えられた来歴・資料性は、市場評価において確かな信頼性とプレミアムを与えます。

Surface (obverse).

肖 像

◎王冠:ルイ18世は戴冠式を行っていませんが、肖像上の王冠は正統王権の象徴表現。革命・帝政期に対する王権の復位を視覚化しています。
◎聖霊騎士団(Ordre du Saint-Esprit)
胸元のプレート(plaque)and ... and飾緒(cordon bleu)は最高位勲章の意匠で、王権の権威を示すアイコン。

◎ローブ:王族のエルミン(白テン)で、典礼的装束を強調。

銘文と書体

◎LOUIS XVIII ROI DE FRANCE:ロゼットで区切る古典回帰的ローマン体が荘厳さと均整を演出。

彫刻署名

◎F. TIOLIER:総彫刻師ティオリエの署名を胸像切断部に刻む。

仕上げと打刻

◎Specimenの特徴Specimenの特徴:磨き込んだダイと強打圧による鏡面フィールド × フロスト意匠のカメオ様対比が顕著。
◎デンティクル:外周の歯は深く鋭く、試鋳個体に見られる丁寧な縁部仕上げとして観察できます(“試鋳の決定的証拠”と断定はしない)。

Reverse (reverse)

紋章

◎ブルボン家の盾形紋章:三つのフルール・ド・リスはフランス王家の最古の象徴で、神授の王権を表現。
◎王冠:王権の復活と継続を示す。

勝利と平和の枝

◎月桂(laurier)の枝で盾を左右から囲み、下部をリボンで束ねる古典構図(※視覚的に片側を“オリーブ”に見立てる解釈もあるが、文献上は月桂表記が通例)。

銘文

◎PIECE DE CINQ FRANCS(アクセントなし表記が通例)。本コインは見本打ち(エセー/Specimen)で、流通用ではありません。

プライビーマーク(雄鶏)

年号左の雄鶏は、当時のパリ造幣局ミントマスター Charles-Pierre de l’Espine(1797–1821) の記号。
製造管理上の識別で、結果的にフランスを想起させる象徴動物でもあります。

彫刻・打刻

紋章・王冠の線は深く、ミラーフィールドとの強い陰影が荘厳な立体感を与えます。


歴史的背景

1) 1814年 ― 王政復古と意匠のリセット
1814年、ナポレオンが退位し、ブルボン家が復位(第一次王政復古)。国章・勲章・儀礼は王制の象徴(フルール・ド・リス、王冠、聖霊騎士団など)へ回帰し、貨幣意匠も帝政期(鷲章やナポレオン像)から王権を前面に出す図像へと切り替えが進みました。一方で、通貨制度の基本(公定量目25.00g/品位.900の5フラン=フラン・ジェルミナル)は継続し、意匠は刷新、規格は継承が当時の原則でした。

2) 1815年春 ― 百日天下と試作群の存在
1815年3月、ナポレオンがエルバ島から帰還して「百日天下」が始まり、同年6月18日のワーテルローの敗北後に失脚、ルイ18世が再復位(第二次王政復古)。
この前後に、仕上げ・縁・銘文・肖像差を持つ複数種のエセー(試鋳)が現在までに知られています。本コインに見られる王冠付胸像タイプHa,王権の正統性を強調する趣旨で構想された意匠案として位置づけられ、一般流通で標準となった肖像とは異なる試作段階の造形Is.

3) ティオリエとパリ造幣局の役割
当時の総彫刻師 ピエール=ジョゼフ・ティオリエ は、帝政末から復古王政期にかけてフランス貨幣の主要意匠を担った中心人物です。
肖像彫刻の刷新:王冠や聖霊騎士団の胸章(plaque)など、王権アイコンを取り入れた意匠を提示。
◎試作の多様化プレーン/レタードエッジ、銘文配置、衣襞表現などを変えた検討用の小ロットが打たれています。
仕上げ水準Specimen特有の鏡面フィールド×フロストによるカメオ的対比が顕著で、量産の流通打ち(MS)とは仕上げ思想が異なります。

4) 造幣記号と象徴の読み解き
◎ミントマーク A=パリ造幣局。
年号左の雄鶏=当時のパリ造幣局ミントマスター Charles-Pierre de l’Espine(在任1797–1821) の個人記号(プライビーマーク)。管理上の識別であり、結果としてフランスを象徴する動物でもあります。
リバースの枝=月桂(laurier)で盾を左右から囲み、下部をリボンで結ぶ古典構図。勝利・栄誉を表す月桂は、王冠とフルール・ド・リスと組み合わされ、王権の復権と秩序の回復を視覚化します。

5) このエセーの歴史的ポジション
本コインが制作された1815年は、帝政 → 王政 → 帝政 → 王政と政治体制が短期間で反転した特異な年です。そうした局面で生まれた王冠像の試作は、「どの肖像・どの銘文で王政を再定義するか」という選定過程を物質的に示す資料であり、鏡面仕上げ・重厚な意匠・限定的な製造という性格と相まって、政治史・制度史・造幣技術史が交差する一次史料として評価されます。


市場評価と希少性

◎文献RグレードMaz-745(R3)=Very Rare。R2より上位にあたる希少区分に分類されています。
◎登場頻度:国際オークションにおける出現はきわめて稀で、同じ1815年に制作されたティオリエ作5フラン・エセー(縁の仕様違い・銘文配置違いなど)と並び、バラエティごとの文献番号で追うと希少性の高さが裏付けられます。
コレクター評価:通常流通用の打ちでは得られない、精緻な金型仕上げ・打圧管理、そして鏡面フィールドとフロスト意匠が生むカメオ的コントラストが際立ちます。特にティオリエ作のクラウンサイズ・エセーはシリーズの中核的存在として評価され、コレクターの注目度が高い分野です。

◎Specimen(SP):PCGSやNGCが用いる「特別打ち」区分。流通貨(MS)や完全プルーフ(PR)と異なり、鏡面仕上げや打圧管理の向上など、見本打ち的な高仕上げを特徴とします。

◎Essai(エセー/試鋳貨):デザイン検討・技術提示・献呈用など、流通を目的とせず少量製造された試作貨。もともとの製造数が非常に少なく、現存数はさらに限られています。

「リチャード・マーゴリス・コレクション」

米国のディーラー/研究家 Richard Margolis (1931–2018) が長年にわたり蒐集・研究した、フランス革命期からルイ18世期を中心とするコレクションです。Margolis 氏は NYINC(ニューヨーク・インターナショナル・ナミスマティック・コンベンション) の創設にも関わったことで知られ、フランス関連コインやメダルの第一人者の一人でした。
没後、その蔵書やコイン/メダル類は段階的に放出され、Stack’s Bowers 社が「The Richard Margolis Collection」として特集をしています。
今回の5フラン・エセーについても、ロット説明に “From the Richard Margolis Collection (acquired from Vinchon in 1984)” と明記されています。

review

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