【幻の1869年スペシメン・ソブリン】

1869年 英国ソブリン金貨｜NGC SP64 CAMEO｜W&R-312
現存わずか3枚のみとされる1869年ソブリン金貨。（NGC鑑定では総鑑定枚数2枚の内、最高鑑定1枚のそのコイン）
本コインは、流通用金型を高度に研磨して特別に打たれた試作的スペシメンであり、通常の通貨発行とは一線を画します。
NGC SP64 CAMEOという高評価が与えられ、さらにXRF分析により、24金に極めて近い高純度の金であることも確認されています。
表面には若き日のヴィクトリア女王を描く第二肖像、裏面には王冠を戴いた盾紋章と月桂樹のリース。
いずれもCAMEO効果が際立つ精緻な仕上がりで、視覚的には実質プルーフ同等の美観を誇ります。
スペシメン・ストライクは、王室贈答や試験鋳造といった特別な目的で少数のみ製造されたと考えられ、公式なプルーフ発行記録が存在しない1869年銘としては、まさに[幻の鋳造]と呼ぶにふさわしい逸品です。

1869年、記録にも残らぬ秘された鋳造。
プルーフとも異なる、プロトタイプとしての Specimen Sovereign。
鑑定機関さえ評価を分けた、唯一無二の存在。

Surface (avers).

女王ヴィクトリアの第二肖像（セカンド・ヤング・ヘッド）が左向きに刻まれています。これはウィリアム・ワイオン（William Wyon）による傑作彫刻であり、髪をタイトに結った気品ある姿が、若き女王の凛とした美しさを象徴しています。

銘文：「VICTORIA DEI GRATIA（神の恩寵によるヴィクトリア）」
W.W.のイニシャル（彫刻師名）はトランケーション（首の切り口）に凹彫（incuse）で刻印され、通貨用金貨とは異なる精巧な仕上げが施されています。
背景は鏡面状（ミラーフィールド）で、肖像には柔らかなフロストがかかり、CAMEO効果が極めて鮮明Est.

Inverse (inverse)

ヴィクトリア期中期を代表する意匠、王冠を戴く英国の四分割盾紋章が月桂樹のリースに囲まれて配置され、威厳と優美さが同居する仕上がりです。
王冠のディテール、リボン、リースの葉脈まで、プルーフならではの極めて精緻な陰影表現が見て取れます。
下部中央に「64」のダイナンバー（打刻用金型の管理番号）**を明確に確認可能。
外周銘文：「BRITANNIARUM REGINA FID: DEF:（英国女王、信仰の守護者）」
エッジ（縁部）は“ストレートグレイン（直線状の刻線）”で仕上げられた特別仕様。

1869年英国ソブリン金貨（W&R-312／NGC SP64 CAMEO）に関する情報